薬剤師と病棟看護師による医薬品事故防止の取り組み
~「実例に基づく医薬品事故防止マニュアル」を活用して~

新井 亘

【はじめに】医薬品による事故は重篤な結果に至り易く、特に病棟での注射薬投与は看護師に委ねられることから、単なる注意喚起ではなく、危険性の薬理的知識の向上が不可欠と思われる。上尾中央医科グループ薬剤部では、平成13年度より「実例に基づく医薬品事故防止マニュアル」を作成し看護師対象の研修教材として活用している。今回、薬剤師が講師となり行う当院の看護師向け研修会とその成果について報告する。

【方法】新人職員と卒後2年目の看護師に分け年2回開催する。内容は実際に発生した医薬品事故例を挙げ、「①麻薬②インスリン製剤③似た名前で違う薬効の薬④アナフィラキシーを起こす薬⑤投与速度・濃度に注意を要する薬」を項目毎に分析し、対策を薬理学的に解説する。

【結果】研修会を開始後3年が経過し、上記注射薬が関連した事故の発生は無かった。また、混注時・施用時に看護師名を押印し、ヘパリン・インスリンの混注の有無を明記する体制が看護部により構築され、事故防止対策の進展が見られた。

【考察】研修により、「単なる確認」から「薬効を理解した上での確認」へと意識改善が認められ、薬理学的な情報提供によって医薬品の危険性の認識が高まったと思われる。

薬剤師は研修会開催の他、「希釈型リドカイン注射液へ変更・高濃度K製剤の抹消」等、採用薬品側からの対策も進めており、医薬品関連の事故防止の中心的な存在を担う必要があると考えている。

現在は薬剤師により高カロリー輸液の混注業務をはじめ、薬剤の指示出しから指示受け、調剤、与薬・施行に至るプロセスの中で、安全対策の構築に寄与しています。

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