簡易懸濁法導入によるリスクマネジメントについて

原 智子

【目的】近年、医療安全上の観点から薬剤師が内服薬の与薬業務へ関わる事が求められている。しかし、当院では看護師に委ねられている現状があり、薬剤師として出来る限り安全に与薬できる環境の整備に取り組む事が重要である。今回、その一環として平成17年4月より経管チューブから薬剤を投与している(以下、経管投与)患者22人に対し簡易懸濁法を導入した。これによる与薬業務に対するリスクマネジメントについて報告する。

【方法】当院では散剤、錠剤粉砕の調剤の場合、睡眠薬や下剤など患者状態によって中止する可能性が高い薬剤やハイリスク薬は他の薬と混合せず単独で分包する。そのため経管投与の患者は1回の薬包数が多く、看護師の内服薬セットが煩雑化している点に着目した。そこで薬包数を減少させ、処方の中止や変更に対応しやすい方法として簡易懸濁法を導入した。

【結果】簡易懸濁法を導入した事により経管投与患者の処方の98%を占めていた散剤(錠剤粉砕を含む)が23%に減少した。その結果、処方の74%が錠剤の一包化となった事で薬包数が減少し、看護師の与薬業務のリスクが軽減した。

【考察】調剤業務の見直しを行う事で看護業務の与薬における医療事故防止への関わりを持つ事ができたと思われる。また散剤の94%が白色であった事より散剤の減少に伴い内服薬調剤業務においてもリスクが軽減したと考えられる。実際、薬剤師が全ての与薬業務に関わる事や1回服用分ずつセットした状態に調剤する事は人員的に厳しい。今後、看護師が担う薬剤取り扱い業務に対して薬剤の適正な使用と安全対策を講じた働きかけを促す必要を感じている。

閉じる